cAlgo API リファレンス

Symbol【cAlgo API】

2020年10月27日

通貨ペア情報取得用

Robotクラス(本体)が持つプロパティSymbolから様々な通貨ペアの情報が取得できます。SymbolのインターフェースはSymbolInfoインターフェースを継承しています。

 

SymbolInfoインターフェース

通貨ペアの基本情報を参照するためのインターフェースです。

public interface SymbolInfo

関連するインターフェース:Symbol

 

プロパティ
(string) Name

通貨ペアの名前を取得します。”EURUSD"とか。これをそのまま発注などに使用します。

(int) Digits

価格の小数点以下の桁数を取得します。

(double) PipSize

1pipあたりの価格を取得します。

(double) PipValue

1pipあたりの価格を口座通貨額に換算して取得します。

(double) TickSize

値動きの最小幅を取得します。

(double) TickValue

値動きの最小幅を口座通貨額に換算して取得します。

(double) VolumeInUnitsMax

最大発注通貨量を取得します。

(double) VolumeInUnitsMin

最小発注通貨量を取得します。

(double) VolumeInUnitsStep

発注通貨量の最小増減幅を取得します。

(IReadOnlyList<LeverageTier>) DynamicLeverage

通貨ペアの通貨量別のレバレッジを取得します。

(double) LotSize

1ロット当たりの通貨量を取得します。

(MarketHours) MarketHours

マーケットが開いてる時間を取得します。FXだけなら気にしなくていいです。

(string) Description

通貨の説明を取得します。EURUSDなら”Euro vs US Dollar"とかになります。

(long) Id

IDを取得します。使いません。

 

(以下はcTrader4.5で追加)

(double) Commission

トレード時の片道手数料を取得します。(単位はCommisionType次第)

(SymbolCommissionType)  CommissionType

手数料タイプを取得します。

(double) SwapLong

買いポジション保有時のスワップ金額を取得します。

(double) SwapShort

売りポジション保有時のスワップ金額を取得します。

(DayOfWeek?) Swap3DaysRollOver

スワップ3倍付の曜日を取得します。

(double) MinStopLossDistance

最小のストップロス距離を取得します。(MT4で「ストップレベル」と呼ばれてるやつです)

(double) MinTakeProfitDistance

最小のテイクプロフィット距離を取得します。

(SymbolMinDistanceType) MinDistanceType

上記Min~Disanceの単位を取得します。PipsもしくはPercentageを返します。

(Asset) BaseAsset

通貨ペアのベース通貨を取得します。(EURUSDならEURの部分)

(Asset) QuoteAsset

通貨ペアの決済通貨を取得します。(EURUSDならUSDの部分)

(double) MinCommission

最低手数料を取得します。単位はMinCommissionAssetによります。

(SymbolMinCommissionType) MinCommissionType

最低手数料の単位を取得します。AssetもしくはQuoteAssetを返します。Assetなら単位は口座通貨、QuoteAssetなら単位は決済通貨(EURGBPならポンド)になります。

(bool) IsTradingEnable

通貨ペアがトレード可能かどうかを取得します。

(SymbolTradingMode) TradingMode

通貨ペアのトレードモードを返します。FullAccess(トレード可能)か、CloseOnly(決済のみ可能)か、DisabledWithPendingOrderExecution(待機注文のみ執行可能)か、FullyDisabled(トレード不可)のいずれかを返します。

(int) GracePeriod

スワップフリー口座でポジションを取得してから手数料がかからない日数を取得します。

(double) AdministrativeCharge

スワップフリー口座でポジション維持にかかる手数料を取得します。

(DayOfWeek?) AdministrativeCharge3DaysRollOver

スワップフリー口座でポジション維持にかかる手数料が3倍になる曜日を取得します。

(double)PnLConversionFeeRate

Gets the symbol profit and loss conversion fee rate... だそうです。(意味わからん)

 

 

 

メソッド
(double) NormalizeVolumeInUnits(double volume[, RoundingMode roundingMode])

volumeを発注可能な量に調整して返します。例えばvolumeに12345を渡すと、(VolumeInUnitsStepが1000なら)12000が返ってきます。最低でもVolumeInUnitsMinが返りますので0やマイナスの値渡しても大丈夫です。

逆に言えばVolume計算値がマイナスだったときは発注しないような想定のプログラムだった場合でもこのメソッド通したら発注できてしまうので注意が必要です。defaultはToNearest。

(double) QuantityToVolumeInUnits(double quantity)

ロット数を通貨量に変換します。quantitiy*LotSizeが返ってきます。

(double) VolumeInUnitsToQuantity(double volume)

通貨量をロット数に変換します。volume/LotSizeが返ってきます。

(double) GetEstimatedMargin(TradeType tradeType, double volume)

(cTrader4.5以降) トレード方向と数量から必要証拠金料を取得します。 

(double) AmountRisked(double volume, double stopLossInPIps)

(cTrader4.6以降) 指定ボリュームで指定Pipsにストップを置く場合の損失額を返します。当然決済時の為替レートによっても変わるため、あくまで目安です。

 

LeverageTierインターフェース

SymbolInfoDynamicLeverageの要素です。発注量によって異なる最大レバレッジを参照します。

public interface LeverageTier

 

プロパティ
(double) Leverage

最大レバレッジを取得します。

(double)Volume

Leverageが有効な最大通貨量を取得します。(DynamicLeverageの最後の要素だけ扱いが違うかも?)

 

サンプルコード
Print("この口座の最大レバレッジは{0}倍", Account.PreciseLeverage);
Print("最大発注数は{0}通貨", Symbol.VolumeInUnitsMax);
Print("{0}の通貨量別レバレッジ", SymbolName);
foreach (var lt in Symbol.DynamicLeverage) {
    var lots = Symbol.VolumeInUnitsToQuantity(lt.Volume);
    if (lt != Symbol.DynamicLeverage.Last()) {
        Print("{0:#,0}通貨({1:#,0}Lots)までは最大レバレッジ{2}倍", lt.Volume, lots, lt.Leverage);
    } else {
        Print("{0:#,0}通貨({1:#,0}Lots)以上は最大レバレッジ{2}倍?", lt.Volume, lots, lt.Leverage);

    }
}

実行してみると最大レバレッジが表示されます。

 

 

Symbolインターフェース

通貨ペアの基本情報に加え、BidやAskなどリアルタイムの情報を参照するためのインターフェースです。

public interface Symbol : SymbolInfo

SymbolInfoから継承されており、リアルタイムの情報を参照するためのメンバが追加されています。

 

プロパティ
(double) Ask

Ask値 (買う場合の価格) を取得します。

(double) Bid

Bid値 (売る場合の価格) を取得します。

(double) Spread

スプレッド (AskとBidの差) を取得します。Pipsじゃなく純粋な価格差です。

(double) UnrealizedGrossProfit

保有中ポジションの総利益を取得します。

(double) UnrealizedNetProfit

保有中ポジションのスワップ、手数料を加味した総利益を取得します。

 

SymbolInfoのプロパティ

Name、Digits、PipSize、PipValue、VolumeInUnitsMax、VolumeInUnitsMinなど。上記参照。

 

メソッド
SymbolInfoのメソッド

NormalizeVolumeInUnits、QuantityToVolumeInUnits、VolumeInUnitsToQuantity。

 

サンプルコード

Pips関連の計算にSymbol.PipSizeはとにかくよく使います。利益額や損失額の計算となるとSymbol.PipValueも結構使います。

// 1本前のローソク足の高値をストップロスに指定して売り発注
// 最大損失が10,000円以内におさまるようエントリーボリュームを調整する

// 最大損失とストップロスPipsを設定
double maxLoss = 10000;
var stopLossPips = Math.Round((Bars.Last(1).High - Bid)/Symbol.PipSize, 1);
var spreadPips = Symbol.Spread / Symbol.PipSize;

// stopLossPipsがスプレッド以下だったらなにもせず止める
if (stopLossPips < spreadPips) Stop();

// volumeを計算する
var volume = maxLoss / (Symbol.PipValue * (stopLossPips + spreadPips));
Print("maxLoss={0}, pipvalue={1}, losspips={2}", maxLoss, Symbol.PipValue, stopLossPips);
Print(volume);
volume = Symbol.NormalizeVolumeInUnits(volume, RoundingMode.Down);

//発注
ExecuteMarketOrder(TradeType.Sell, SymbolName, volume, "SymbolSampleCode", stopLossPips, null);

デモ口座で試してみてください。手数料分はずれますが、ストップロス位置で最大損失くらいになるようエントリーされるのが確認できると思います。

 

 

RoundingMode列挙型

Symbol.NormalizeVolumeInUnitsでの計算方式を表す列挙型です。

 

ToNearest 近い値。奇数丸めっぽいです。2500も3500も3000になります。
Down 切り捨て。NormalizeVolumeInUnits(volume, RoundingMode.Down) の結果は指定したvolumeよりも小さい数値になります。
Up 切り上げ。NormalizeVolumeInUnits(volume, RoundingMode.Up) の結果はvolumeよりも大きい数値になります。

 

 

SymbolCommissionType列挙型

手数料の計算方式を表す列挙型です。

UsdPerMillionVolume 100万通貨(USD)あたりで計算され、単位はUSDです。
UsdPerOneLot 1ロットあたり計算され単位はUSDです。
PercentageOfTradingVolume トレード総量の比率(%)で計算されます。
QuoteCurrencyPerOneLot 1ロットあたりで計算され、単位は決済通貨です。

たとえばUSDCADでCommisionが10、CommisionTypeが"UsdPerMillionVolume"の場合、100万ドルの取引あたり10ドルの手数料ということなので、1lot(10万通貨)トレードしたときの手数料は片道1ドルということになります。

少しわかりにくいですが、GBPUSDで同じ値だった場合は手数料は1lot片道1ポンドになります。(10万通貨=10万ポンド=約12万ドル=手数料は(100万ドルあたり10ドルなので)約1.2ドル=手数料は1ポンド)

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