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【cTrader】MTF対応ストキャスティクスとか【Tools】

2021年2月6日

MTF_Stochastics

マルチタイムフレーム対応のストキャスティクスが見当たらないと聞いてちょっと作ってみました。

あまりMTF系インジケーターを使ったことないので、こんなんで実際使ってる方の役に立つのかわからないのですが、一応公開しておきます。

 

機能概要

チャートとは別時間足のストキャスティクスを表示します。

一つ目は普通の組み込みインジケータのストキャスティクス、一番下が今回作ったMTF_Stochasticsです。

わかりやすいよう一つだけ表示させてますが、時間足を変えて2種類まで表示できます。

 

パラメータ

TimeFrame1、TimeFrame2

ストキャスティクスを表示させたい時間足を指定します。

%K Periods, %K Slowing, %D Periods, MA Type

組込のストキャスティクスと同じです。

ShowLabel1, ShowLabel2

インジケータ窓の左上に対象時間足を表示するかどうか指定します。

 

ダウンロード

(2/8更新 下記不具合を修正済み)

ソースコード付きです。

 

組み込みインジケーターのMTF化

実はcTraderで組み込みインジケーターのMTF版を作るのはそんなに難しくないです。

ソースコード見てもらうとわかりますが、パラメータ部分を除くと2,30行のコードで済んでしまってます。ストキャスティクス以外でも基本は同じなんで簡単に手順を説明します。

1.別時間足のbarsを取得して、それをもとにインジケーターを取得

//------------------------------
// init
protected override void Initialize()
{
    // 中略
    _bars1 = MarketData.GetBars(TimeFrame1);
    _bars2 = MarketData.GetBars(TimeFrame2);
    _stocha1 = Indicators.StochasticOscillator(_bars1, KPeriod, Slowing, DPeriod, MaType);
    _stocha2 = Indicators.StochasticOscillator(_bars2, KPeriod, Slowing, DPeriod, MaType);
}

BarsはMarketData.GetBarsで取得、そのままIndicators.<組込インジケーター名>で別時間足のインジケーターが取得できます。これらはフィールド (メンバ変数) に持っておきます。

 

2.Calculateではindexを変換して配列に代入する

要は自分の時間足のindexが示す時間が、別時間足でどこのindexにあたるか求めます。今回は変換メソッドを作りました。

//-------------------------------
// convert index myTF→anotherTF
int _convertIndex(Bars bars, int index) {
    var newIndex = bars.OpenTimes.GetIndexByTime(Bars.OpenTimes[index]);
    int load = 1;
    while(newIndex == -1 && load!=0) {
        load = bars.LoadMoreHistory();
        newIndex = bars.OpenTimes.GetIndexByTime(Bars.OpenTimes[index]);
    }
    return newIndex;
}

一応barsが足りない場合、追加で読み込む処理を入れましたが、自分より長期時間足だけを表示させるならなくてもさほど問題ないと思います。

で、あとは代入するだけ。

//------------------------------
// calculate
public override void Calculate(int index) {
    var index1 = _convertIndex(_bars1, index);
    if (index1 != -1) {
        PercentK1[index] = _stocha1.PercentK[index1];
        PercentD1[index] = _stocha1.PercentD[index1];
    }
    var index2 = _convertIndex(_bars2, index);
    if (index2 != -1) {
        PercentK2[index] = _stocha2.PercentK[index2];
        PercentD2[index] = _stocha2.PercentD[index2];
    }
}

これで完成です。詳しくはソースコード全文をご覧ください。

別の組み込みインジケーターでもぜひ試してみてください。

 

(2/8 追記)

すみません、嘘でした。完成してません。

書き換え処理が抜けておりました。(ゆきちFXさんご指摘ありがとうございます!)

 

3.上位時間足の場合は未確定分をさかのぼって書き換える

Calculateの一番下にこのコードを追加してください。

// リライト処理
if (IsLastBar) {
    for (int i = 1; index - i >= 0 && index1 == _convertIndex(_bars1, index - i); i++) {
        PercentK1[index - i] = _stocha1.PercentK[index1];
        PercentD1[index - i] = _stocha1.PercentD[index1];
    }
    for (int i = 1; index - i >= 0 && index2 == _convertIndex(_bars2, index - i); i++) {
        PercentK2[index - i] = _stocha2.PercentK[index2];
        PercentD2[index - i] = _stocha2.PercentD[index2];
    }
}

IsLastBarはIndicator特有のプロパティで最新のBarを計算している時だけtrueになります。つまりif(IsLastBar){ }の中身は最新のBarを計算してるときだけ実行されます。

for文があまり見慣れない形でわかりにくいかもしれませんが、要は上位時間足のindexが切り替わる直前までさかのぼって、今計算した値に書き換えてるしているだけです。

今度こそ完成です。たぶん。また変なとこあったら教えてください。(他力本願)

 

書き換え処理について

なんで書き換え処理が必要かピンとこない人へ一応説明。

たいていのインジケーターは一度確定した値は変わることはありません。たとえば15分足の移動平均値であれば10時開始のローソク足の値は10時15分になった時点、つまり次のローソク足開始時点で確定され、以後書き換わることはありません

しかしマルチタイムフレームで上位時間足のインジケーター値を表示させてる場合は事情が異なります

たとえば15分足に1時間足の値を表示させてるとすると、(15分足で)10時開始の足の場所に表示すべき値は当然ながら(1時間足での)10時開始のローソク足の値です。この値は11時になって初めて確定されるのです。

そのため、11時に値が確定した時点で、とっくに確定してるはずの(15分足の)10時開始の足までさかのぼって値を更新する書き換え処理が必要になるのです。

参考までに書き換え処理が抜けてたバージョンではこうなります。

 

以下余談

ちなみにマルチタイムフレーム以外でもさかのぼって値を書き換えるインジケーターはありますが、このリライト(書き換え)有無を理解しないで使っていると変な誤解をしてしまう可能性があるので初心者の方は注意が必要です。

有名なものだとZigzagなんかがそうですが、リライト有りのインジケーターって過去チャートに表示させるとあたかも見事に天底とらえる神インジケーターのように見えてしまったりするんですよね。

リライトの有無でインジケーターの使い方自体が全く異なりますので、聞いたこともないようなインジケーターを使用する場合はせめてリライトするかどうかくらいは確認してから使用することをお勧めします。

 

(2021/3/2追記)

特定の値で音鳴らしたい!

という要望があったため、機能追加してみました。こちらのLineAlertの音鳴らす機能をそのまんま放り込んだ感じですね。

【cTrader】LineAlert【Tools】

ラインに価格が触れてから考えたい 水平線やトレンドラインを使ってトレードしてる方にはわかってもらえると思うのですが、こう目安となるラインを引いたところで現在の価格がまったくラインにからまないと何もしよ ...

続きを見る

 

いつ音を鳴らすのか?

音鳴らすこと自体は簡単なんですが、どのタイミングで鳴らすかが結構難しかったりします。ストキャスティクスだと%K%D両方の値を基準とするのか、クロスも同時に見るのかなど。

特にMTF系だと、メインの時間足更新タイミングを基準とするのか、上位時間足更新(確定)タイミングを基準とするのか、というのも悩みどころです。普通に考えれば確定後がスタンダードでしょうけど、メインとして短期の時間足を見てるのに、上位時間足確定まで待つというのはどうも使い勝手が悪い感じもします。

この辺は使い方次第なんでしょうね。今回もソースコードついてるので使う方はいろいろいじって自分好みに仕上げてみてください。

 

ダウンロード

とりあえず、上位時間足の確定は待たずに%K%Dともに指定値以上(以下)と同時に%K%Dのクロスを検知した場合に音を鳴らすように作ってあります。また、1度音を鳴らしたらメインの時間足が更新するまで音はならないようになってます。

たいしてテストしてないのでおかしなところあってもご容赦下さい。

 

その他変更点

・2つ目の%Kと%Dのデフォルトラインスタイルが逆転しててわかりにくかったので修正しました。

・見にくいLevels表示を消し、パラメータのSoundAlertHighとLowの位置に灰色の点線を引くようにしました。(音鳴らしたくなければFileを空欄にしておいてください。)

 

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