ランダムにエントリーしたときの勝率
前回の記事見てくれた方は「いや、前回計算してたやん」って思われるかも知れません。
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でもちょっとまってください。
あれは「相場がランダムウォークだとしたときの勝敗確率」です。もしかしたら相場はランダムウォークではないかもしれません。
実際にランダムウォークではないと考える人のが多いのではないでしょうか?実はなんらかの見えない規則ある動きをしていて、ランダムエントリーでも特定のSLTPでは勝率が偏るということがあるかもしれないのです。
というわけで、サイン検証の第一弾としては(サインじゃないけど)ランダムにエントリーしたときの勝率というのを検証していきたいと思います。
エントリー条件
ローソク足開始時に相場状況に関係なく5%の確率で買い、5%の確率で売りをします。 (プログラム的には毎時間0~1の乱数を生成して0.05以下で売り、095以上で買いとしてます)
ストップロスは1時間足値幅の1~8倍、 テイクプロフィットはストップロスを元にリスクリワード比0.2~10を定めて設定します。
2012/01/01 ~ 2021/12/31 1時間足でエントリー ( 決済判断の価格データは1分足を使用)
結果
EURUSD
エントリー回数:6033回
見ての通り、水色点線と黄色実線が大部分で重なっています。
高RRRが有効?と思わせる部分もありますが、乱数を変えて試した限り結果はバラバラだったので、まぁ誤差の範囲なのでしょう。
EURUSD1時間ではランダムエントリー+固定SLTPでは特に優位性が認められる部分がありません。
GBPJPY
エントリー回数:6248回
微妙ではありますがRRRを大きめにとったときではわずかに優位性がありそうにも見えます。しかもストップロスの大きさに関わらず、リスクリワードを大きくしたときほど勝率が上振れする傾向が見れます。
こちらはEURUSDと違い、エントリータイミングを変更したり売買を逆にしたりいくつかパターンを試してみたときに、いずれも同様の傾向が見られました。
GBPJPYでは「エントリータイミングを気にしない場合は高RRR戦略が有効そう」ということがわかります。
参考までに低RRRの結果はこちら。低RRRではまったくダメなのが見てわかると思います。
AUDNZD
エントリー回数:6252回
GBPJPYとはうってかわってストップロスを広くとってさらに高RRRを狙った場合、壊滅的な勝率になっています。
いや、当たり前なんですけどね、AUDNZDの値幅を考えたら、1時間足値幅の80倍のテイクプロフィットなんてとれるはずがないんで。
この性質があるからこそ、ストップロスをかなり遠くに置いといてトラップリピートイフダンみたいな手法がよく使われるんですよね。
ならば、細かい値幅での低RRR (例えばストップロスを値幅の8倍、テイクプロフィットを値幅の1倍とか)でも通用するのかというと・・・
ほぼ完全にランダムな勝率になってしまいます。残念ながら損大利小にしたとしても、ストップロスが1時間値幅の8倍程度では意味がないようです。
いくらレンジになりやすい通貨ペアとはいえ小さく損大利小を狙うのは得策ではなさそうです。
「AUDNZDではエントリータイミングを気にしないトラップリピートイフダン的な損大利小手法は機能は有効だが、ストップロスをかなり大きめにとる必要がある」ということが言えそうです。
まとめ
ランダムにエントリーした場合・・・
・EURUSDでは(高RRRで若干優位に感じられるものの)基本的にランダムの計算勝率に落ち着く
・GBPJPYでは高RRRでは優位となる可能性が高い。
・AUDNZDではかなりストップロスをかなり広くとったときに限り、低RRRで優位となる可能性がある。
(ストップ大きめ+高RRRが大きく下振れした結果から、逆の取引をすれば勝てるという発想)
といったところでしょうか。まぁ大方の予想通りではないかと思いますが。
いきなり見えてきた課題
ストップロス、テイクプロフィットともに大きめにとった場合、決済前に次のエントリーが入ってしまい同時保有ポジションが多くなるため、統計的意味がぐぐっと下がってしまいますね。
今回はランダムエントリーだったので数パターン試して傾向を確認できましたが、次回からはそうも行きません。
決済まで次のエントリーをしないようにすれば一応この問題は防げるんですが、それだと試行回数が極端に減ってしまうので結局あまり意味がない・・・
このあたりは申し訳ないのですが見る方が理解しといてください。ストップロス大きめ設定のグラフについては水色領域もあまりあてにならんかもしれないよ、と。
次回は移動平均線のクロスについて見てみます。