cTrader Copy 1か月稼働結果
前回のcTrader Copyの紹介記事はこちら。1か月使ってみて気づいた注意点なども下記記事に追記しておきましたのでよかったらご覧ください。
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cTrader Copyによるコピートレード
コピートレードってなんだ? MAMとPAMM コピートレードとは誰かのトレードをそっくりそのまま自分の口座でコピーする、つまり実質的に他の誰かにトレードをやってもらうということができる機能です。ソーシ ...
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この記事を書いた頃はajinoriもたいしてコピートレードを使ってなかったのですが、一度記事を書いた以上、自らが人柱となってでも皆様の利益のためにさらなる情報を提供すべきという高潔なる義務感から・・・
嘘です。「結構稼働期間短くても成績いいのも多いんだよな、うまくやればもっと稼げるかも」という下心丸出しでStrategyAgeにかかわらず成績の良いストラテジープロバイダーを片っ端から少額でCopyしてみました。
コピーしてから約1か月が経過したため、ここに結果を報告したいと思います。先に言っておくとデータ的な価値は皆無です。こんな感じでしたー、というお話とajinoriの感想だけ知りたい方は続きをどうぞ。
選定基準
まずはコピー開始時の選定基準から。
いずれも感覚的なものなので基準と言えるほどのもんではないですけどね。一応こんな感じで選びました。
①まず3か月間ROI60%以上で絞り込み
②各ストラテジーの「Equityグラフ」「取引履歴」を確認します。StrategyAgeが長いものは「ROIグラフ」と「月別ROI」も確認
そして下記基準を満たすものをすべて選びました。(下3つはStrategyAgeが長いもののみ確認)
・大きな含み損をかかえたことがない
・おかしなエントリーボリュームの変動がない
・ROIグラフが右肩上がり
・月単位でマイナスになっている月が少ない
・月単位の収益率に大きなばらつきがない
まぁ結局のところ、なんとなく適当によさそうなものを選んだ、といったところです。今回は個々の取引履歴はエントリーボリューム確認程度で細かくは見てません。
選ばれたストラテジーは総勢18個。登録されてる全体数から考えると意外に少ないという印象です。なお、すべて最低金額でコピーしました。
予想
4月初め、コピー開始時点での予想です。
・StrategyAgeが短いものは爆発的な利益を出すか、口座を飛ばすかのどちらかだろう。つまり倍以上になるか0で退場かのどちらかの可能性が高いだろう。
・StrategyAgeが長いものは、着実に数%の利益を上げるか、そうでなくとも口座を飛ばすほどの損失は出さないだろう。なにせ長く生き残ってるんだから。
・合わせて考えると、各々相殺されるだろうから、順当にいけば数%の利益、多少悪くてもわずかに損する程度、運が良ければ爆益になるかも!!!
という希望的観測を持っていました。最悪の場合を考えないお花畑な脳みそです。
結果
特定のストラテジーを勧めるみたいになるものアレなので、ストラテジー名は伏せて利率だけ載せておきます。成績いいものは単純に1か月のROIで検索かければだいたい予想つくとは思います。
・・・まぁ予想なんてあてにならないもんで。
停止は手動で途中停止したもの、削除はコピー中に消えていなくなってしまったもの、破綻は文字通り口座破綻したものです。ちなみに強制ロスカットが発生した時点で破綻扱いとしてコピー停止しています。
-80%とかで、20%も残ってても破綻になってるのは元口座とコピー口座のレバレッジの違いのせいです。
月あたり利率
単純に全ストラテジーに同じ金額投資していた場合の利率で考えてみます。画像の数値は手数料を反映しないため、手数料は一律Performance Feeのみ30%として差し引きます。
計算してみると・・・月利+3.5%程度ですね。手数料がなければ月利+15%くらいでいい感じなのですが、やはり手数料が高めなのが痛いです。
安定運用で+3.5%なら悪くないのですが、かなり不安定(ストラテジー毎に成績のばらつきが大きい)な中での3.5%なので、この結果からはプラスとは言えないと考えた方がいいでしょう。
(ちなみにajinoriはすべて最低金額でコピーしてるので、実際の利率は異なります。若干のマイナスです(泣))
「今回は歴が短いストラテジーも含め、適当に選んだせいだ!ちゃんと選べばもっと成績はよくなる!」と言いたいところですが、個々の結果を見ていくと必ずしもそうとも言えない気がします。
個別に見てみると
③と⑨のストラテジーは途中の取引を見る限り明らかに危なげだったので途中停止しています。結果的に⑨はその後盛り返して+8.5%程度で4月を終えたようです。③は破綻して(4月中に-97%)いなくなってました。
これらを月末まで運用していたら、最終成績はもっと落ち込んでました。仮に最初からこれらをフィルターしてコピーしてなかったとしても月利5.5%程度です。誤差範囲ですよね。
⑮は半年以上の運用歴があったストラテジーでしたが破綻しました。確かに利益曲線はガタガタ気味だったものの、順調に増やしてたので、一気に破綻は予想外でした。
⑦もほぼ破綻といってもいいくらい落ち込んでますが、これも半年以上稼働して徐々に利益を積み上げていたストラテジーでです。歴が長くても崩れるときは崩れるということですね。
特に成績がいいのは②の55.6%と⑪の567.42%ですが、実はどちらとも運用歴数日の状態でコピーしました。今回コピーした中でも特に歴が短いストラテジー2つです。
これはただ運がよかったとして言いようがないです。この二つを歴が短いという理由で選択からはじいていたとしたら、結果は燦々たるものでした。
もし慎重に選んでいたら?
今回は半分検証のつもりで手当たり次第にたくさんコピーしてみたためこの結果でした。もし慎重に選ぶならここからさらにコピーするストラテジーを絞っていたはずです。
もしリスクを抑えるつもりで真面目に選んでいたならば、歴の短いものは選ばず、歴の長いものから厳選してコピーしていたと思います。この時点で今回の稼ぎ頭、②と⑪は間違いなく外してます。
歴の長いものだけで見ると⑤⑥⑬⑭⑰はいずれも運用歴が半年以上でしっかり利益を上げています。利率は5~20%程度ですが、手堅くいくのであれば十分優秀だと言える数値でしょう。
しかし上記の通り、⑦と⑮も運用半年以上のストラテジーですが、実質破綻しているのです。仮に優秀なストラテジーをうまくいくつか選べたとしても、⑦や⑮を選んでしまった時点で負けです。
後づけで理由を探せば⑦や⑮はEquityグラフに怪しい点があるとか言いたくなってしまいますが、おそらくコピー開始時点で明確にはじけてたかと言われると、まず無理でしょう。
結局のところ、慎重に取り組んでたとしても、似たような結果どころか、もっと悪い結果になっていた可能性が高いと思われます。
結局コピートレードってどうなのよ?
コピートレード自体は悪くない
少し話はずれますが、コピートレードというと「人任せで自分で責任取れないトレードなんてダメだ」とか「楽して儲けようと思ってるやつの発想だ」とか言われることがありますが、これは偏った考え方で必ずしも正しくないです。
普段のトレードでは自分で相場分析をして、自分の責任でエントリーとイグジットを決めると思いますが、それはコピートレードでも同様です。
ストラテジーをあらかじめ分析して、自分の責任でコピー開始(エントリー)して、基準に従ってコピー停止(イグジット)するのです。
トレード対象が「為替の数値」から「ストラテジーの成績」に変わるだけで、大きな視点で見ればやってること自体は変わりません。
システムトレードやってる方は納得いただけるのではないでしょうか。EAの運用も同じですよね。
ただし現時点では難しい
とはいえ、少なくとも私がcTraderCopyでコピートレードを試した限りでは、積極的に運用していくには難しいと感じました。大きな理由としては3つ。
実質的に選択肢が少なすぎる
ストラテジーの数だけでいえば多いのですが、ある程度実績があって成績が安定してるものに限ると数は一気に減ります。
そこに自分なりの基準を決めてフィルターにかけるとなると基準を満たすストラテジーはごく少数になると思います。
デイトレードなどと異なりある程度長期での運用を想定しますので、投資対象の選択肢が少ないのは厳しいです。
ストラテジーの分析が難しい
コピートレード内でポートフォリオを構築しようとした場合、個々のストラテジーで、成績グラフや取引手法などを分析する必要がありますが、cTraderCopyではデータがダウンロードできず分析がしにくいです。
トレード履歴をすべて見れるのは確かに強みなのですが、すべて目視確認では手間がかかりすぎますし、いくつかのストラテジーで比べるということになるとなおのことです。
そもそも選択肢が少ないので頑張って分析したところで満足のいくポートフォリオができるかも疑問です。
ちなみに今回は事前分析はたいして行っておらず、コピー中にトレードをいくつか確認しただけですが、似たようなナンピンをするストラテジーが異様に多かったという印象があります。
同じようなトレードするストラテジーいくつもコピーするくらいなら、その中で一つだけ一番魅力的なものに絞った方がいい気もしてきます。
手数料が高い
手数料はストラテジー毎に異なりますが、多くのストラテジーで利益の30%に設定されてます。
ほとんどのストラテジーがちゃんと勝ってくれるというなら決して高すぎるわけではないのですが、そうではありません。どうしてもコピーしてる中では負けるストラテジーも出てきます。
ここで利益の30%もとられてしまうと、うまく勝ち負けで相殺できたと思っても利益がらは手数料引かれて結果的にマイナス、ということになりかねません。
今は遊び半分で楽しむのがいいかも
なくなっても困らないお金で「運が良ければ増えてるかもね」くらいの感覚で気に入ったストラテジーをコピーしてみる、という使い方が今のところはいいのかもしれません。
ajinoriとしては本格運用はひとまず置いといて、遊び半分で楽しく使ってみることにします。
もっとストラテジーが充実して、優秀なトレーダーさんが数多く参加してくれるようなことになってきたら本格運用を検討したいですね。